FP&Aキャリア相談⑤日本企業内での社内公募を検討中の方

社会人9年目の女性の方。現在の会社は3社目で事業会社です。FP&Aに関心があり、社内公募でFP&Aに近いポジションに挑戦したいということです。
1社目で金融機関、2社目では金融機関向けのコンサルを経験されたそうです。事業会社を希望され、現在の職にあります。

さて、社内公募でいくつかのポジションがあり、FP&Aになるにはどこがよいのかという相談です。
社内公募では、①経理部での予算管理業務、②財務部での資金予測業務、③経営企画部門での中期経営計画策定業務、の3つが選択肢としてあるそうです。

お話をお聞きしました。現在この方がお勤めなのは、日本を代表する大企業の本社です。一般的な日本企業の経営管理組織ですね。経理財務部門と経営企画部門が別になっている。中期経営計画の策定は、主に経営企画部門で行われている。中計ができた後で、経理部門で単年度の予算管理・予実分析をする形態です。中計策定と単年度の予算管理の業務が、別々の部門に分断されています。本来、中計と単年度はつながっているんですけどね。別々の部署が担当するのでつながらない。経理部門は単年度の予算管理をするのですが、予算を策定する段階で参加していないので、中身をよくわからずに集計・情報集め屋さんになりがちです。

米国企業では、CFOの下に経営企画、経理、事業部門の企画部門が全部はいっているのです。中計策定・単年度予算管理、さらには事業部門の意思決定の支援もすべてCFO組織で行います。その担当者がFP&Aですね。

さて、この方はFP&Aの職に関心がありますが、そのまま米国企業のFP&Aのような業務はないようです。経理部門で単年度の予算管理をする、経営企画部門で中計策定を担当する、どちらでもよさそうです。ただ、どちらの職に就いたとしても、本来は中計と単年度の予算管理を一貫した業務にすることを意識して業務にあたっていただきたいです。

それにしても、9年目ですでに3社目ということが少し気になります。経験とスキルをつけることも重要ですが、”事業に貢献する”という視点もそろそろ重要だと思っていただきたい。私が最初に勤務した米国企業では、9年かけてファイナンス部門の中で3つの異なる業務を経験したとすると、次は管理職(部長レベル)としてチームをまとめてさらなる貢献を狙う段階です。会社や部門を超えた転職をすると、事業に貢献するところまで至ることは難しくないでしょうか?また、経験のない部門に移って一から仕事を覚えて新たなスキルを身に付けることはあなたにとって重要でしょうか?それで貢献できますか?

事業に貢献して管理職になる、チームを率いてさらなる貢献をする、という視点をぜひ持っていただきたい。

このようなキャリア相談を受け付けます。なにかしらキャリアアップのお役に立てれば。ご連絡ください。