米国企業では最高財務責任者,CFOの下にファイナンス組織があり,経理・財務・税務・内部統制等はもちろん,管理会計全般(FP&A)も担当します。職種別採用が行なわれており,大学で経営や会計を学んだ者,公認会計士,経営学修士(MBA)を修了したものがファイナンス組織に入社することが一般的です。

米国企業のファイナンス部門のうち,経理・財務・税務等は,日本企業と同様,本社コーポレート部門に属します。FP&A業務を担当する者はコーポレート部門にもいますが,各子会社,各事業部,研究所,工場,部門(営業・マーケティング・研究開発・サプライチェーン(購買・生産・物流など))などに配置され,担当部署を直接支援します。子会社・事業部門・部門に配置されるFP&Aは,マトリックス組織の中で二君に仕える形をとる場合が多い。筆者が過去に勤務した米国企業ではすべてこの組織体系がとられていました。

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中長期の戦略策定,単年度予算とその進捗管理は,本社,地域統括,海外子会社,事業部,各部門に配置されているFP&Aコントローラーが連携して行います。CFOの指示を受けながら,自分が担当する部門責任者やクロスファンクショナルチームのメンバーと共に,財務・非財務の情報をまとめて報告します。

また,新商品開発,設備投資,日々の経費管理や宣伝広告費・販促費用などの投資判断の意思決定支援も行う。このように,CFOがFP&Aコントローラーを介して会社の隅々までお金の動きを把握できる仕組みになっています。

一方,多くの日本企業では経理財務担当役員は主に財務会計を担当しています。管理会計は経理財務部門も一部担当するが,経営企画部門や,原価企画などいくつかの部門に分散して実行されています。
中期経営計画・予算など,計画を立てるのは経営企画部門であり,実績を集計・分析してレポートするのは経理財務部門であるという役割分担も見られますが,その場合,経理財務部門は事業部門から遠く,どのような戦略のもとこのような実績になったのか,説明できないこともあるようです。

日本企業も、CFOが経理財務と経営企画を管掌して、欧米のようなCFO組織を持ち、FP&Aが企業の管理会計をきちんと受け持つことができれば、業績を上げることができるのでは?

*CFO組織の確立が、中期経営計画の達成率を高めるにに役立つ こちら

*経理財務部員の事業部配置 こちら

*FP&A(経営企画・経営管理)活動の成果をどう計ればいいのか? こちら