FP&Aキャリア相談⑭ USCPAを勉強されている大学生の方
USCPAを勉強されている大学生の方から相談を受けました。法学部の学生さんで、3年生が終わった後、これからの就職活動のことを考え、一年休学してUSCPAの取得を目指しているそうです。すでに勉強を始めていますが、お父さんに「USCPAをとるとどのような就職の道が開けるのか、知っている人に確認してみたらどうか」と助言され、知人に話を聞いているそうです。
実は大学4年生になるのを前に一年休学した、というのは、古い話ではありますが、私と同じです。私は、3年生が終わったところで一年休学して、ロンドンとパリに語学留学に行きました。そのあと帰国して外資系企業に就職したのです。資金の余裕があるのであれば、一年の休学は、長い人生にとって、問題ではありません。
この話を聞いて、まず私の感想としては、これは海外ではあまり起こらないことだろうな、ということです。USCPAは米国の公認会計士資格なので、法学部の学生ではじめて簿記から習う人が目指す資格ではありません。「会計士になる」ことを目指して、大学で会計を専攻し、会計科目の単位を取得してから受験するものです。日本の会計士の受験には会計単位が必要ではありませんが、米国では会計単位が必要です。それを、日本のUSCPA予備校が大学に行かなくても取得できる方法を準備しているので、なぜか、法学部の人でも受験できるようになっているのです。かなり特殊なことではないでしょうか。また、USCPAの勉強をしているが、会計士を目指しているわけではない、というのも妙な話です。
USCPAは米国の公認会計士資格ですから、日本では国家資格ではありません。休学までするのならば、日本の会計士資格を目指してはどうか、と思います。USCPAは休学や休職をしなくても取れる資格だからです。ただ、休学してしまっているので、この一年で2-3科目は取ってしまうとよいと思います。在学中に4科目とってしまえるといいでしょうね。
USCPAは、就職には役に立つと思います。日本の会計士でなくても監査法人への就職が可能だと聞いていますし、コンサルティングファームへの就職でも有利ではないでしょうか。
企業のファイナンス・経理、企画部門への就職にも有利だと思います。ただ、日本企業の多くは職種別採用をしていないので、経理・企画への配属が簡単ではないかもしれません。新卒採用をしている外資系企業はたくさんはありませんが、USCPA取得は有利でしょう。
ということで、私の私見としては、USCPAをとること自体はよいことで、勉強の内容は、どんな職種にも役立ちます。ただ、休学をしなくてもとれていたかなと思うので、せっかく休学したので、4科目合格するところまで、頑張ってほしいです。勉強自体は楽しいですが、試験に合格することは容易ではありません。是非やりきってほしいです。
どなたかわからない形で、このように記録を残させていただきますが、無料でご相談を受け付けています。
あくまでも私の私見ですが、参考になれば幸いです。