経営会議の目的は、課題を解決すること

日本企業の経営企画の方から、経営会議の資料作り、進行の方法についてアドバイスを求められる。よく見られるのは、とにかく数字をたくさん並べて「見てください」と言っている状態。

実績の売上や利益が予算と乖離している場合、差の数字をならべているだけでは、その仕事は早晩自動化されるので、人間がやる必要がない。なぜ違うのか、だれがどのようなアクションをとるべきか。議論して決めて、課題を解決できるようにしないといけない。差があることを認識するだけではなにも解決しない。

企画や経理の方々は、ものやサービスを売っているわけではないし、事業を直接やっているわけではない。事業部や営業の人たちに説明してもらう。でもそれだけでは、企画の人は必要ない。どこをどのように説明してもらうべきか。早く対策を考えてアクションを起こしてもらえるまで、人を動かす必要があるのだ。

アメリカの優良な企業では、経営管理の仕組みがしっかりしている。誰がいつまでに何をすべきか、会議で決めて、その後の進捗も確認する。実際に行動を起こす。数字にコミットする。あいまいな差を残さない。

プロセスや数字の意味がはっきりしているので、うまくいかないことがあっても、人を責めない。事象を責める。

日本企業はものごとの決定に時間がかかると言われている。時間がかかるだけではない。はっきり決まっていないのだ。決定がされない。そのうち忘れられる。できない。できなくてもだれも罰せられない。

できない理由をいろいろ挙げる。日本は特別だから。そうかな?どの国も特別。日本だけが違うわけではない。できない理由を言っている間に、みんな日本から去ってしまう。なので、外資系企業の日本子会社では、「日本は違う」と言わないようにする。

経営会議の目的は、資料を見て、説明して、理解することではない。それは資料があれば事前にできる。会議に必要な人たちが集まって、議論してアクションを決め、すぐ実行する。そのために会議はある。きちんと決めて実行すれば、売上も利益も向上する。

これも、日本企業の利益率が低い理由の一つではないかと思う。