FP&Aキャリア相談⑩USCPAの勉強中の20代女性の方

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地方の中小企業にお勤めの20代前半の女性の方からの相談です。

大学では会計の勉強をしたものの、就職の際にはまったく違う職種に就いたそうです。現在、地方の中小企業に勤める社会人2年目です。

やはり会計の仕事に就こうを思い、USCPAの勉強をしているそうです。USCPAは、アメリカの公認会計士の資格で、4科目合格しなければいけませんが、日本で受験することができ、一科目ずつ受験することができるので、働きながらでも比較的取りやすい資格です。米国企業のFP&Aは、USCPAかMBAを取得している方が多いです。USCPAをとることは、FP&A職に応募するにあたり、有利です。

この方は、FP&Aとしてのキャリアに関心があります。すでにUSCPAの1科目に合格し、転職の応募をしてみたら、ある製造業の会社から、原価管理や設備投資計画業務に関わることができる仕事でオファーをいただいたそうです。せっかく、未経験なのにオファーをいただいたので、転職してこの会社で会計業務の経験を積んでから、将来的には外資系FP&A職への転職をしたいと考えておられます。しかし、家族や友人からは、「今転職すべきではないのでは」と言われ、悩んでおられます。

私としても、もう少し慎重に転職を考えるのがよいかと思います。今は売り手市場であり、若い優秀な方であれば、未経験でも経理の仕事にオファーがある状況は理解できます。しかし、ここで転職してしまうと、USCPAの残りの3科目に合格するための勉強をする時間が捻出できない可能性もあるでしょう。まずは今の職場できちんと働きながら、4科目合格するのがよいのではないでしょうか。USCPAの資格を取ってからきちんと転職を考えることをおすすめします。

今の職場では会計職に就いていませんが、将来FP&Aをするうえで、非会計職の経験は何でも役に立ちます。FP&Aは事業部門の方々を支援するのが仕事ですからね。今の職場で、経営者や経理の方に、「会社の経営・経理に興味があるので、関わらせてほしい」と言ってみるのもよいかもしれません。ただし、転職を考えていることが知られてしまう可能性があるのであれば、そこは慎重に。今の職場で経理・管理の業務に異動させてもらうことができれば、それもよいです。ただし、この方の職場では経理業務が外注されているようでしたので、それは難しそうでした。

職業人生はとても長く、65歳まで働くとすると、40年もあります。私に相談に来られる方は、30歳で4社目という方もいらっしゃいます。このペースで転職していると、40年でいくつの会社に勤めることになるか、想像もできません。若い方は、自分のスキルを増やすことに注力されていますが、「企業・職場に貢献する」という視点に欠けているように感じます。企業は、その方を育てよう、貢献してもらいたい、と思って採用しています。また、横にスキルを広げるだけでは、昇進して責任ある立場に就くことができません。職場で事業に貢献できなければ上に上がることはできません。上のポジションに上がることを考えれば、2-3年おきに違う職種に転職することはお勧めできることではありません。

古い話ではありますが、私は最初の会社に17年勤め、ずっと同じ職種(FP&A)で、かなり早いスピードで昇進することができました。32歳で部長職に就きました。より高い視座で効率よく働くことができるので、早いスピードで昇進することはよいことです。私はその後二人の娘を出産して、仕事と子育てを両立しました。

FP&Aを目指す若い方が増えていることはうれしいことです。FP&Aの仕事に就くために、次はこの仕事に転職して、その次はこれで。。。といろいろ考えていただいています。ただ、私は転職して履歴書に書く会社の数を増やすことはなるべく少なくすることをお勧めしています。できれば、今の会社で会計・管理職に異動するなど、できるといいですね。

さて、この方は、まずはUSCPAの資格取得をしてから、転職を考えることにされたようです。ご相談いただき、ありがとうございました。また、進展があれば、ご報告いただきたいです。