FP&Aキャリア相談⑧ 海外勤務経験者で外資系企業転職に関心のある方

noteにFP&Aキャリア相談⑧を投稿しました。

この方は有名大学を出て日本の一流大企業にお勤めの30代後半の方。海外勤務を経験しておられます。海外でMBAをとったり勤務したりしていて、外資系企業の日本子会社CFOの職に関心を持たれました。
 新卒入社以来、営業、事業部門内の事業計画担当(FP&A業務)、M&A業務を担当してきました。将来的にはCFOを目指したいそうです。しかし、今まで経理財務の職に就いたことはなく、帰国後にどのような職にアサインされるかわかっていません。この際転職して、ファイナンスの道を究めた方がよいのではないかとお悩みです。

 転職は慎重に行うのがいいですね。この方は高学歴で優秀な方なので、いろいろオファーがあるようです。でも私のおすすめとしては、転職するのであれば、なるべく知り合いに引っ張ってもらうのがよいということです。私は何度か転職をしていますが、ひとつを除いてすべてが、転職先に以前の会社での知人がいました。知人がいれば、その会社の事業や人について、ある程度の話を聞くことができます。入社後にも、早く実力が発揮できるように助けてもらえます。一度だけ知人無しに転職したことがあるのですが、その時は、入社面接で合意したことと違うことがいろいろ起こり、苦労しました。

外資の日本子会社のCFOの仕事は、経理財務と経営企画・事業管理などを網羅し、大変やりがいのある面白い仕事です。日本子会社の経営陣の一員として貢献できます。しかし、外資企業は本社の力が強く、重要なことは本社で決め、子会社に伝えられます。日本子会社は、”本社の戦略に基づいて売る場所”という役割が強くなります。日本子会社のCFOやFP&Aの役割も、”売ること”を支援する役割が強くなります。企業によっては、日本子会社で売上管理はするが、利益管理はしないという場合もあります。というのは、売上原価は本社で一括で把握しているからです。経理財務業務は海外のシェアードサービスセンターで行われていることも多く、日本には限られた機能しか残っていない場合もあります。その点、良く確かめる必要があります。また、そのあとのキャリアとしてどう考えたらよいかも確認する必要があります。

外資の日本子会社CFOのポジションはたくさんありますが、候補者もたくさんいます。すぐにでもその仕事ができる方がたくさん応募してきます。となると、経営層や人事の方が知っている人が呼ばれることも多いです。

ということで、この方の場合、社内外のオポチュニティーについて、引き続きよく検討していくことがよいでしょう。現在素晴らしい企業にお勤めなので、急いで転職を考える必要はないだろうということです。